· 

#38 けいの心臓の手術のこと - 5


私はひたすら自分の努力が足りなかったことを悔いながら、遅ればせながら、手術について情報を収集し始めました。

 

まずは費用について。

私は何十億ドルもの信託財産を残してくれたエルロイ大叔母さまもいないし、素敵な青年実業家の夫もいないので、自分に払える費用なのかを調べました。そして日本で小型犬の僧帽弁の修復手術を行う病院はとても限られていて、また病院によって総額で何十万から百万円単位で料金が違うということがわかりました。費用は日本で行った場合だいたい100万円から250万円(術前検査、術後の検査代などの総額で)の間ということがわかりました。私は自営業という名の引退組なのでこれまでは受けたい仕事だけ受けて、お気楽な仕事と呼べないようなことを楽しんでいましたが、2019年は受けられる限りの仕事を断らずに全て受けました。それこそ寝る間も惜しんでけいの手術代を貯めようと頑張りました。

 

そして手術を見据えたセカンド(サード)オピニオンを得る病院のリサーチを始めました。
関東に一番費用が高く有名な病院があるのですが、高いから必ずしもベストではないのではないかと思い、さまざまな病院を検討しました。大学病院の中にはすべての費用項目を公開している大学も何校かあり、まずどんなポイントを考慮するべきなのかを検討していました。そんななか、インスタグラムで同じ犬種の飼い主さんからとても貴重な体験のお話をいただきました。それが、わたしとけいの運命を大きく左右して(良い方向に)くれたと思います。

 

そのお話をする前に。

この文章を書きながら逆説的ではありますが、この病気の臨床研究や投薬、外科治療ともに全て日進月歩で、日本や海外の現在のトレンドや最新情報が、すぐにインターネット上などに一般的に出回ることはないように思います。また闘病体験談は飼主の体験としては非常に参考になるのですが、実際にわんちゃんの治療方針を考えるときに他のわんちゃんがそうだったからといって、それがすべての子に当てはまるということではないと思います。犬種、年齢、遺伝性の有無、などなど・・・

ですので、これはわたしとけいにだけ当てはまった話だとご理解いただき読み進めていただければと思います。

そのアドバイスをくださった、お目にかかったことのない飼主さんは、まさにけいと同じ犬種を大切に大切にして共に暮らされていた方で、けいと同じくらいの歳のときにまさに僧帽弁閉鎖不全症の修復手術を行い、残念なことに手術の結果亡くされてしまわれた方でした。

 

けいのインスタグラムをご覧になっていてくださり、わたしが悩みながらさまざまな投稿をしているのをずっと見守っていてくださいました。そしてけいが失神した翌日、DMをくださいました。そして愛する我が子の病気の経緯、手術で亡くなるまでなど体験などを教えてくださいました。

手術の時期の見極めと決定がまず最重要であること、手術をする病院は手術後の管理の優劣がとてもとてもとても大事であること、ときには手術そのものよりも術後のスペシャリストによる24時間体制が命を左右する要素として大きいことなどをアドバイスくださいました。それこそが病院を選ぶときに必ず外してはいけない要素だということでした。そして日進月歩の分野ですので年間の手術実績数も大切な要素であること。

 

その方は現在は愛する子の思い出と共に、残されたかわいい子たちに囲まれて幸せにいらっしゃいますが、愛する子を同じ病気、同じ手術で亡くされた方からのけいのことを思っての真摯なアドバイスには、本当にいくら感謝してもたりません。本当に本当にありがたいことです。

 

結果、術後の管理体制、たくさんの循環器内科医と24時間体制でスペシャリストを配置されている病院、そして臨床例が世界規模でも最も多い病院で、けいの現在の状況を診てもらうことにしました。