#16 田舎町のしあわせな家

Originally posted on May 09, 2018

 

私たちが日本を出て20時間、この小さな田舎の一軒家に到着したのは夜8時過ぎでした。この地域は緯度が高いせいか8時を過ぎてもまだ薄明かりが残っています。

 

 

シアトルからフェリーも含めて3時間弱で到着するこの小さな田舎町は、人口が5000人足らず。へたしたら世の中にいる人気のインスタグラマーさんのフォロワーさんの数の方が多いくらいの小さな町ですが、息を飲むほど美しい田園風景が広がるところです。

 

私がAirB&Bで見つけたこの小さな家は、若いご夫婦が買った母屋についてきた小さなゲストハウスです。15畳ほどのリビングダイニングに10畳ほどの寝室。小さなバスルームと小さなキッチンがついています。小さな家に大きな窓があってそこからは裏の森も、ご夫婦が熱心に手入れしている綺麗な庭も、そしてその奥の林も見渡せます。


決して高級ではないけれど、ご主人がおやすみの日に手入れをして住めるようにした素朴な作りの家で、奥さんのセンスのいい手作りのインテリアで統一されています。家は本当に「
Cozy」そのものです。到着した日に家に入ると、けい用のおやつもガラスのジャーに入って用意されていました。    

 

 

 

家のあちこちには奥さんが描いて額に入れておいてある手書きの「家の説明」があります。「この家の小さなキッチンにはキッチンシンクがありません。洗い桶やクリーンナップアイテムが乗っているキッチンワゴンをガラガラとバスルームまで転がしていき、そこで食器を洗ってくださいね。」とか、「この家にはケーブルテレビがないの。でも私たちのDVDコレクションを楽しんで。(ポップコーンと)」などと描いてあります。家のあちこちのコーナーに行って、このメッセージを読むのもとても楽しいものです。

 

この家の何よりも素晴らしいところは、周りの環境と広々としたとした敷地です。森に囲まれた場所にあるこの家には、日々手入れをしている青々とした美しい庭があります。真ん中に大きな木がまるで家族の一員のように佇んでいて、その周りに東屋やブランコ、庭のあちこちに配置されているベンチ。マシュマロを炙って焚き火をしてくつろぐコーナーや手作りの池など。

 

 

けいもすっかりこの家が気に入った様子でくつろぎ、何よりも大喜びで毎朝起きるとすぐに、待ちきれないように庭に飛び出していきます。緑の絨毯の上をクンクンしたり、ひとりで駆け回ったり、リスを見つけて追いかけたり、車の通りから奥に離れたこの敷地で自由に遊んで朝ごはんに戻ってくるのが日課になりました。

 

 そして庭を挟んで建っている大家さん夫妻にはマクセルという5歳になるひとりっこの男の子がいます。マクセルは幼稚園らしきものには行っていないようで、毎日お母さんと一緒に家の中で遊んだり庭に出てきたりしています。けいと私が気になるらしく、到着した翌日に母屋に挨拶に行って以来足繁くゲストハウスに来ます。おばねえさんのお仕事の邪魔になるからだめ、とお母さんに言われているらしくいつも家に来ては「おばねえさんと遊びに来たんじゃないの、Kayにおもちゃを見せに来たの。」とか、「Kayがこのゲーム知っているかどうか、やり方を説明しに来たの。」などと言っています。


試しに一度聞いてみました。

「これ、犬が遊ぶゲームじゃないんじゃない?人間の大人が遊ぶものじゃない?(注意:バックギャモンです)マックス、誰がこれでわんちゃんが遊ぶって言ったの?」

「お母さんがこれはわんちゃんが遊ぶ用のって言ったの。」

「でもKayを見て。全然わかんないみたいだけど。」

Kayは見てるのが楽しんじゃない?僕たちがあそべばいいんじゃない?」

「ほら、このゲームの説明書見てよ、Kayは読めないじゃない。」

「でもねこれはね、夜けいが寝るときに読んであげればいいんじゃない?」

マックスの説明を聞いていると笑えることがたくさんです。これは面白かったのでインスタのライブにあげてみました。ご覧になった方がいるかなぁ。

 

Kayもマックスが好きなようで、マックスが遊びに来ているとふたりでくっついてよく遊んでいるので、好きにしてもらっています。子供って本当に面白いんですねぇ。夕方になると「夜ご飯よ」、とお母さんが呼びに来て帰っていきます。

 

 

なんとも言えない、幸せな家族が作った幸せな小さな家です。