#7 2018年の旅の最後の目的地は、PEI

Originally posted on <arch 17, 2018, Photo Pepin Village, Wisconsin 2014

前々回から、今年2018年に5月から出る旅の目的地について、お話ししています。

そして今回は、今年の旅の最後の目的地についてお話ししたいと思います。

 

シアトル、ニューヨークときて最後にどうしても行きたかったのが、少し恥ずかしいのですが、

カナダのプリンスエドワード島です。

 

良い年をしてどれだけ少女趣味なんだと思われるかもしれませんね。本当にそう思います 笑 殿方は、プリンスエドワード島がなぜ少女趣味かとわからない方がいるかもしれませんので少しご説明すると、このカナダの東海岸を北上したノヴァスコシア州の小さな島は、有名な「赤毛のアン」を書いたルーシー・モード・モンゴメリの育ったところで、彼女のほとんどの小説の舞台とされています。そして、世界で一番美しい島だとも言われています。

 

小学校3年生のときに、家の本棚にあった世界少年少女文学全集の中にたまたま入っていた村岡花子訳の「赤毛のアン」は、大げさな話、その後の私の生きる上での指針のひとつを作ったた本になりました。美しいものを美しいと感じることの喜び、正しいことを尊ぶこと、友情の大切さ、正直で公平であろうとすることの大切さ、等々・・・ 4年生までにはアンブックスと言われる全11巻を文庫本で買ってもらい、何度も何度も繰り返し読みました。この本は私の人生の全ての引越し、そして会社員時代の海外の転勤にもついてきてくれました。擦り切れるほど、とよく言いますが、第1巻とお気に入りの巻たちはもう表紙がボロボロに擦り切れてしまいました。大人になってからは原書でも読みましたが、日本語訳をほぼ完璧に覚えているため、なかなか普通に英語が入ってこなかったくらいです。そしてアンの舞台であるプリンスエドワード島にいつか行ってみたい、というのが私の「いつの日かリスト」の中の一番下で、長年ひっそりとその日を待っていました。

 

この島にはよく日本からハネムーンで行くかたもおられると聞きましたが、私はどんなに愛する人であったとしても人間の誰かと行くのはなんだか気がすすみませんでした(負け惜しみじゃないですよ!笑)。なんだろう、私の目と頭と心だけでその世界に接したかったというか、誰かと話もせずにひとりで100%味わってみたかったのかなぁと思います。でもけいは別なんですね。けいの良いところはおしゃべりしないでいるところです 笑 けいはモンゴメリも知りませんし、私の思い入れも気にしないで けいの独自の感性だけで島を味わうでしょうから、お互いに干渉し合わなくていいのです。話さなくても心の奥底で理解し合っている友人同士のように、好きな場所をただひたすら1日中歩くことも彼女は厭いません。疲れてもインスタ映えするカフェに行ってお茶をする必要もありません 笑 これは犬連れ旅の最もおすすめな部分です。
恋人たちの小道、輝く湖水、おばけの森、歓喜の白路、岬の灯台、赤い道、シャーロットタウン、グリーンゲイブルス・・・

 

けいは今年9歳になります。健康面でぼちぼちと不安なところもでてきて、いつまで遠出の旅ができるか先のことを少しづつ考え始める年齢になってきました。それは私も一緒です。私が死ぬまでに一度だけでも行きたかった場所に、初めて一緒にいくのは、この相棒より他にいないような、そんな気がする良い歳同士のふたりなのでした。

 

プリンスエドワード島(PEI)では、赤毛のアンの舞台と言われているキャベンディッシュの付近に滞在ということも考えたのですが、恐らくこの小さい島のどこを見ても美しく、どこに泊まっても帰るときは心をちぎって残していくような気がするだろうと思いましたので、あえてキャベンディッシュにはこだわらないことにしました。キャベンディッシュまで車で30分くらいの島の反対側、アンシリーズをお読みのかたはお分かりになると思いますが、サマーサイドの近くの、浜にほど近い森の中の牧場に建つ一軒家を借りました。なんとその小さな家は、赤毛のアンが書かれた1908年よりもさらに古い、モンゴメリが生まれた1800年代後半に建てられたもので、もともとブタ小屋を兼ねた物入れのような納屋の中を、牧場の持ち主が手仕事できれいにリノベーションした家です。これを見つけた時は手が震えるほど心が踊って、様々な手続きののち借りられた時はうれしくてけいにMACの画面を見せてあげたほどでした。

牧場にはたくさんの動物たちもいて、馬や山羊や羊、けいの大好きなうさぎや大勢の猫たちが広い農場で暮らしているそうです。Eメールでやり取りをした持ち主の老夫婦は、人柄が滲むとてもいい方々で「愛情を込めて直した家なんです、あなたはきっと気にいりますよ。」と言っていました。

 

 

ここでおそらく忘れられない日々を過ごし、その後一路東京に帰ります。
これが今回の私たちの旅の最後の目的地です。

(次回からは旅の準備についてお話ししたいと思います)